板藍根(ばんらんこん)生薬
板藍根は、日本ではあまり知られていませんが、中国では冬の季節にはなじみの深い生薬です.風邪やインフルエンザにかかった時の熱症状や、のどの痛みなどにお茶代わりに飲むなどの方法で広く利用されています。
生薬とは、からだに有用な植物、鉱物などをそのまま乾燥したり、
または簡単な処理をしたものです。漢方薬などの原料としても利用されます。
板藍根(ばんらんこん)とは
タイセイやホソバタイセイというアブラナ科の植物の根を乾燥させた生薬です。
中国ではこれ以外にもキツネノマゴ科の植物リュウキュウアイ(別名:馬藍)の根や根茎も用います。
少し難しくなりますが東洋医学では、
板藍根は≪清熱解毒≫≪涼血利咽≫の薬能をもつ生薬とされています。
≪清熱解毒≫とは、細菌やウイルスによる感染や炎症に伴う発熱、腫脹、疼痛などを抑える働き、
≪涼血利咽≫とは、のぼせや発赤、紅班、鼻血、充血などの症状やのどの症状を抑える働きを意味します。
これらの作用は、現代医学的な基礎研究の結果からも裏付けられています。
板藍根(ばんらんこん)の主な働き
培養細胞などを使用した基礎研究において、次のような作用が認められています。
●抗ウイルス作用:ウイルス感染や体内での増殖を抑える働き。
●抗菌作用:細菌感染や体内での増殖を抑える働き。
●免疫増強作用:からだの免疫力を強くする働き。
●解熱消炎作用:熱を下げる働きを痛みや腫れなどの症状(炎症)を抑える働き。
板藍根(ばんらんこん)の使い方
中国では、風邪やインフルエンザの予防や、発熱やのどの痛みなどの症状に、煎じ液をお茶代わりに飲むなどの方法で、広く利用されています。
また、煎じ液でうがいをすることもウイルスや細菌の感染予防に役立ちます。